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CIRCL編集部

認知症と睡眠時の呼吸障害の関係 アルツハイマー病予防のカギはいびき対策?

 2015年に、65歳以上の高齢者の割合が4人に1人を超えた高齢化社会日本。2040年にはその割合は3人に1人になるという。つまり、若者2人で高齢者1人を支えていく世の中になると考えられている。そんな高齢化社会で問題になる認知症。高齢化社会の主役である高齢者が元気に生きるための大きな障害となる認知症だが、そのリスクを劇的に改善できる方法があるかもしれない。

認知症と睡眠時の呼吸障害の関係を調査

 アメリカ神経学会ジャーナルに投稿された研究がその予防法のカギを握る。その研究では55~90歳の2,470人のカルテを調査することによって行われた。

 まず、その人たちを、記憶や思考力に問題なし軽度認知障害(MCI)アルツハイマー病の三つのグループに分けた。これらのグループごとに、睡眠時の呼吸障害の有無、また、呼吸障害がある場合は治療をしているかどうかに関してのデータを分析した。

高齢者には睡眠時の呼吸障害が多い

 高齢者には睡眠時の呼吸障害が非常に多い。この研究を行ったオソリオ博士によると、高齢男性の52%、高齢女性の26%に、ひどいいびきや睡眠時の呼吸停止などの呼吸障害がみられた。そして、睡眠時の呼吸障害は、記憶力や思考力の低下を若い段階から引き起こしてしまうことが示唆されてきた。
睡眠時の呼吸障害により認知症の発症年齢が低くなる

 この調査では病気の発症の平均年齢が、睡眠時の呼吸障害がある場合、MCIで77歳、アルツハイマーで83歳であったのに対し、呼吸障害がない場合はそれぞれ90歳と88歳となった。特にMCIで、睡眠時の呼吸障害による病気発症の低年齢化が顕著であった。

CPAP治療によりMCI発症を10歳も遅らせることができる

 しかし、睡眠時無呼吸症候群などの一般的な治療法である持続陽圧呼吸療法(CPAP)治療を行うことで、MCIの発症平均年齢が72歳から82歳と10歳も遅くなっているのである。

 高齢者の約3人に1人が睡眠時の呼吸障害を抱えていることを考えると、CPAPによるMCIの予防効果は非常に重要である(※1)。

認知症の社会的コストと家族の負担は大きい

 厚生労働省は、2014年にかかったと思われる認知症の社会的コストを発表している。それによると、1年間の介護費と医療費の合計が8.3兆円、家族が要介護者1人に使った時間は週25時間というデータが出ている(※2)。要介護者1人あたりに対し、1日8時間のフルタイムの仕事を週3日増やしたのと同じくらいの時間を割く計算になり、負担は非常に大きい

認知症対策には睡眠時の呼吸障害の改善を

 今後ますます重要度が増すと思われる認知症対策。治療が難しく、本人や周りの人の生活の質を著しく下げてしまう認知症に対しては、予防策が重要だ。食生活や運動が大切だとはよく言われているが、いびきや睡眠時無呼吸症候群などの治療は、食生活や運動習慣といった生活習慣病予防と同様に重要な可能性もある。後悔しないよう、自分や家族の睡眠の改善を本気で考えてみたほうがいいかもしれない。

参考・引用

  • ※1:Heavy Snoring, Sleep Apnea May Signal Earlier Memory And Thinking Decline http://www.newswise.com/articles/view/632532/
  • ※2:認知症の社会的コスト、年間14.5兆円 厚労省が初めて推計 http://www.joint-kaigo.com/social/pg1316.html

WRITER

Daisuke Goto

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