CIRCLから読者の皆様へ大切なお知らせ

睡眠・健康マガジンCIRCLは、この度の医療系メディアの信ぴょう性や著作権に関する一連の問題を、健康系情報を扱うメディアとして真摯に受け止め、自主的に掲載中の記事を見直すことを決定いたしました。少しでも多くの方に正しい情報をお届けするため、当メディアの掲載基準を見直した上で運用を徹底して参ります。品質を満たしていない可能性のある記事は非公開にしてまいります。一部ブックマークやシェアいただいた過去記事で見られないものが発生するなど、日頃よりご愛顧くださっている読者の皆様には多大なご迷惑をおかけいたしますことを、心よりお詫び申し上げます。今後ともCIRCLを何卒よろしくお願い申し上げます。
CIRCL編集部

なぜ2回感染?おたふくかぜの原因が解明、新たなワクチン開発へ

 先日、6歳の長男を連れて、接種が義務付けられている日本脳炎の予防接種を受けるためかかりつけの小児科へと足を運んだ。そのとき主治医から同時に勧められたのがおたふくかぜの予防接種だ。

 「1度おたふくかぜにかかっても、なぜか、また、かかる子がいるんですよ。予防接種を受けていてもね。だから、2回の接種を勧めています」とのことだった。長男は、すでに1回目の接種は受けており、主治医の勧める通りに2回目を受けることにしたのだが、おたふくかぜの「なぜか、かかる」という原因不明の部分が、とうとう明らかになった。

おたふくかぜに治療法なし

 耳の下のあたりが腫れることで有名なおたふくかぜ。子どもを中心に毎年数十万人がかかるウイルス感染症だ。最も多い合併症は髄膜炎で、難聴、脳炎、精巣炎、卵巣炎などの合併症を引き起こすこともある。しかし、現在、治療法はなく、発熱に対して解熱剤、脱水には点滴、髄膜炎の合併発症例には安静など、基本的には対症療法しかない(※1)。

重要なのに義務ではないワクチン接種

 従って、ワクチン接種が重要なのだが、現在、日本ではおたふくかぜのワクチン接種は義務ではなく、副作用の影響から任意接種だ(※2)。そのため、接種率は20%以下と低く、4年に1度の全国規模の流行を繰り返している(※3)。

 さらに、おたふくかぜは、長男の主治医が説明したように、ワクチン接種者や1度感染した人が再び感染する現象が報告されるものの、その原因は不明だった

ウイルスが結合する複雑な受容体の構造が明らかに

 原因不明だったおたふくかぜに感染するメカニズムが、九州大学などの研究チームの実験やコンピューター解析などでとうとう明らかになった。

 おたふくかぜのウイルスの表面の糖タンパク質は、人の細胞の表面にある「受容体」に結合すると感染する。この受容体が、これまで単純な構造だと考えられていたが、3種類の糖からなる複雑な構造が必要であることが分かったのだ(※3)。

なぜ2回感染するのか?

 おたふくかぜのウイルスには12種類の遺伝子型があるのだが、すべての遺伝子型に共通する場所に抗体が結合しにくいという特徴がある。そのため、ワクチン接種や1度かかったことによってできた抗体が役に立たない場合が出てくるのだ。つまり、ワクチンを打っていてもかかる人や、1度かかったのに、またかかるという人が出るというわけだ(※3)。

新たなワクチンや新薬の開発も

 今回のこれらの研究成果について研究チームは、新たなワクチン開発や改良、新薬の開発が進められるようになると考えている。ワクチンの効果が高いとなれば、今は任意のワクチン接種が義務化される可能性もあるだろうと思う。難聴になる子どもたちを減らすこともできる(※2)。

 子どもたちに重篤な症状が出ることがないよう、ワクチンや薬の早急な開発が求められている。

参考・引用

  • ※1:流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ) http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ra/mumps/392-encyclopedia/529-mumps.html
  • ※2:ホントに必要? おたふくかぜワクチン http://www.jspid.jp/journal/full/02604/026040509.pdf
  • ※3:流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の原因ウイルスの受容体構造を解明 -病原性やワクチンに関して新知見 病原性やワクチンに関して新知見- https://research-er.jp/articles/view/50397

WRITER

kix

ARTICLE

  • 何と縄文時代は15歳だった!過去から現在、日本人の平均寿命の変化
  • 背が高いほうが得なの? 世界各国地域によって様々なモテ身長
  • 「あくびで脳に酸素を送っている」はウソ! じゃああくびは何のため?
  • 日本人に多い過ち「眠れぬ夜に寝酒」が体を痛めつけている
  • 太る原因は不安定な睡眠のせい?忙しくてもできる生体リズムの整え方
  • 合コンネタにいかが? 人間以外の動物の睡眠方法が面白すぎる
  • <夏特集>ラジオ体操を本気でやると…実はすごいって知ってた?
  • 有名コンサルタントが教える「オフィスの嫌われ者にならない方法」
  • 謎多き睡眠の病気「眠れる森の美女症候群」ってどんな病気?
  • 子どもの偏食は心配すべきか?広まる食育の取り組み
  • 今こそ長年の論争に終止符を。靴下履いて寝るのはOK or NG? を解明
  • 痛いから眠れないのか、眠れないから痛いのか
  • 京大発。人類史上最高の眠りへ誘うベッド? きっかけはチンパンジー!
  • 片足立ちでスグ分かる潜在的な心の不安定さ
  • 「笑う健康法」は本当?体のスタミナやメンタルヘルスへの影響
  • うつの兆候、悪夢を撃退 手ぶらでできる簡単な方法とは
  • 女性4人中3人は「自分の裸が好きではない」 ポイントはお腹とお尻
  • 男性と女性で薬の効果に差アリ 投薬量は同じで大丈夫?
  • 出張や旅先でも良質な睡眠を 就眠前の足浴のすすめ
  • 赤ちゃんの睡眠中の事故に厳重注意 新生児に枕、ブランケット、ぬいぐるみは厳禁
  • 我慢したオナラは何と口から出てくる! オナラ研究最前線
  • 唾液検査で死期が分かる? 最新の研究が明らかにしたがんとの関連
  • 体内時計で病気治療。そんな時代がすぐそこに
  • 気持ちよすぎる? 熟睡できる住まいは木の家。中でも無垢材が最高
  • 瞑想とはそもそも何だろう 本来の力がみなぎるその効果とは?
  • Googleにグレートな社員が多いワケ 世界で、日本で、進む「健康経営」
  • 原因不明の病気 悪夢が繰り返される「悪夢障害」って何だ?
  • 枕でいびき予防 自分や家族のいびきを防いで良い睡眠を
  • 「子どもの朝食、パンとご飯どっちがいい?」長年の論争に今こそ終止符を。
  • 日本人の連続受賞で再注目間違いなし!? 謎だらけの"嗅覚"の解明でノーベル賞
  • 女性必見! 1日5杯のコーヒーが乳がんリスクを抑制
  • 語彙量で10倍は必要!? 「ネイティブ並」の英語力ってどのくらい?
  • 今年は申年! ベッドで熟睡…猿は良質な睡眠のプロだった
  • 最新研究でがん治療に光 抗がん剤の副作用が特殊な運動療法で軽減
  • 肉食動物のライオンやネコ 今流行りの「野菜バーガー」で生きられるのか? ポイントは内臓にあり
  • つけるだけで視力回復コンタクト「オルソケラトロジーレンズ」って?
  • 未来の究極のダイエットは腸内細菌を「移植」!? 今夜からできる細菌の移植方法とは
  • 名門ケンブリッジが科学で明かした。辛い朝にすっきり目覚める20曲
  • 「今年こそ痩せたい!」なら、「食べない」じゃなく「XXない」が鍵
  • 脳も健康に?「脳のための」ランニングのススメ
  • とびきりストイックなあなたへ。オリンピック選手に学ぶトレーニング法
  • 男性要注意! 女性の半数が「同級生の男性が老けたのは35歳から」と回答
  • レム睡眠=夢を見るだけではない レム睡眠の意義を日本人が解明
  • フラボノイドでEDが予防可能?今日のデザートは酸っぱいアレに決定