CIRCLから読者の皆様へ大切なお知らせ

睡眠・健康マガジンCIRCLは、この度の医療系メディアの信ぴょう性や著作権に関する一連の問題を、健康系情報を扱うメディアとして真摯に受け止め、自主的に掲載中の記事を見直すことを決定いたしました。少しでも多くの方に正しい情報をお届けするため、当メディアの掲載基準を見直した上で運用を徹底して参ります。品質を満たしていない可能性のある記事は非公開にしてまいります。一部ブックマークやシェアいただいた過去記事で見られないものが発生するなど、日頃よりご愛顧くださっている読者の皆様には多大なご迷惑をおかけいたしますことを、心よりお詫び申し上げます。今後ともCIRCLを何卒よろしくお願い申し上げます。
CIRCL編集部

母親の生活習慣と幼児の睡眠習慣の関係

 テクノロジーの発達に伴い、ここ数十年で仕事環境や生活習慣ががらりと変わっている。それに伴い、子どもの生活、特に睡眠習慣へも大きな影響が出ている。体や心が成熟した大人に比べ、今まさに成長している子どもにとって睡眠は非常に重要な意味を持っている。そして、子どもの睡眠習慣には、母親の生活習慣が非常に大きく影響する。

子どもは睡眠不足でADHDと間違われることも

 子どもの心や体の成長に及ぼす睡眠の影響は非常に大きい。子どもの睡眠不足はまた、情緒の不安定性や落ち着きのなさとも関連があり、場合によってはADHD(注意欠陥多動性障害)と間違われるほど注意力が散漫になるともいわれている(※1)。健やかな子どもの成長には睡眠が必要不可欠なのである。

 

保育所児は幼児期からすでに夜更かし傾向

静岡大学の冬木春子教授は、子どもの睡眠と社会経済的環境についての調査を行った。調査対象は認可保育所に通う幼児とその親。543世帯から回収した睡眠に対する調査結果を解析した。

 教授はその調査結果をもとに、子どもの睡眠-覚醒リズムを4類型に分類している。「睡眠リズムが一定である群(類型Ⅰ)」「週末に睡眠リズムが乱れる群(類型Ⅱ)」「全体的に睡眠リズムが乱れる群(類型Ⅲ)」「夜更かし傾向のある群(類型Ⅳ)」である。その割合は、類型Ⅰ:276人(52.8%)、類型Ⅱ:50人(9.6%)、類型Ⅲ:21人(4.0%)、類型Ⅳ:176人(33.7%)であり、保育所児の睡眠習慣には「夜更かし群」が多く、3人に1人は幼児期からすでに夜型になってしまっているようだ(※2)。

幼児の睡眠習慣への母親の影響と父親不在

 ではこの要因は何なのであろう? 答えは母親の職業や生活リズムにあるようだ。子どもの就寝時間が遅くなる要因には、「母親の帰宅時間」「母親の起床時間」「母親による睡眠管理」が関連していることがこの調査からわかった。

 一方で、父親が子どもの「遅寝」に影響する要因はないというデータも同時に出ている。冬木教授は子どもの睡眠習慣にとっては「父親不在」になっていると指摘している(※3)。

約7割の母親が幼児の睡眠習慣を担いつつ働いている

 平成27年の「国民生活基礎調査」では、5歳の児童のいる家庭での母親で、仕事を持っている人の割合は69.4%にも及んでいる。約7割の人は5歳児の育児をしながら働いているということになる(※4)。その母親が、子どもの睡眠習慣の管理や責任を一手に引き受けているということであり、その精神的・肉体的な負担やストレスは大きそうだ。

 少子化が進む一つの要因だともいわれている子育ての不安と負担。「子どもの睡眠」も母親の大きな負担やストレスになっていることが考えられる。子どもの健全な睡眠のためには、母親がその重要性を自覚することはもちろんだが、父親を含めた家族や社会の理解や協力も不可欠なのではないだろうか。子どもの睡眠環境が悪化している今だからこそ、「寝る子は育つ」環境を周りの大人みんなで作ってあげる必要があるだろう。

参考・引用

  • ※1:小学校体育ジャーナル 子どもの睡眠 http://gakkokyoiku.gakken.co.jp/data-journal/objects/st/sj61.pdf
  • ※2:親の社会経済的環境からみる子どもの睡眠習慣 https://www.jstage.jst.go.jp/article/kasei/68/0/68_144/_article/-char/ja/
  • ※3:親のライフスタイルが保育所児の睡眠習慣に及ぼす影響 http://ir.lib.shizuoka.ac.jp/bitstream/10297/9442/1/25-0145.pdf
  • ※4:厚生労働省 国民生活基礎調査 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa15/dl/02.pdf

WRITER

Daisuke Goto

ARTICLE

  • 新春・初夢占い! 当たるも八卦、当たらぬも八卦
  • 昼寝のススメ2 昼寝のベストはなぜ15分? 
  • <夏特集>夏のビールはなぜうまい? ビールの「うまさ」のわけに迫ってみた
  • 「触らぬ神に祟りなし?」 寝不足で不機嫌な上司を科学的に大マジメに解明するとこうなる
  • Dカップ女子はスポーツをやめやすい? 4人に3人が胸に「悩み」
  • 人は一生でどれくらい眠る?驚きの総睡眠時間とメラトニンの役割
  • 病院へ行くのは面倒、恥ずかしい、怖い… そんな方はアプリで診断!? 最新のAPP事情
  • 薄毛の人は心臓発作を起こしやすい!? 統計で見る「身体的特徴×疾患」の驚くべき関連性
  • 冷やしたご飯で健康・美容を手に入れる? レジスタントスターチの力
  • 疲労困憊ママに朗報 夜起きて泣く赤ちゃんにかまうべからず!?
  • 睡眠の質が下がりやすい冬に備える!秋の眠りのコツ
  • いびき博士と呼ばれた男、池松武之亮氏 1万人のいびきを収集
  • あなたはヤバめor健康的ナルシスト? ハーバード大博士の作った「ナルシスト度チェックテスト」
  • 妊娠中のハイカロリー食はひ孫の代まで影響する? 驚きの最新研究
  • 冷え性や抑うつにまで効果 今改めて、ローヤルゼリーの凄いチカラ
  • 子どもの苦手科目が算数? 英米の共同研究が明らかにした家でも学校でもできる成績アップの秘訣
  • 社長の5人に1人はサイコパス?驚くべき統計結果
  • O脚、X脚をストレッチで治す! この秋冬こそカッコよくショートブーツを履きたい
  • 従来の常識を覆す結果が…夫婦の不仲が夫の病気リスクを減らす!?
  • 女性必見! 1日5杯のコーヒーが乳がんリスクを抑制
  • 東京五輪の切り札? 体重が"半減"する魔法のランニングマシンで超ハイテクトレーニング
  • かなり怖い「朝食抜き」 若者も油断大敵、脳出血のリスクが上昇!
  • 2015年総集ランキング 睡眠編
  • 眠る前に、水が飲みたくなるのには理由があった
  • ナースコール回数に影響 睡眠時無呼吸症候群SASは患者を重症化?
  • 退屈すると砂糖と脂肪を欲す。 ジャンクフードがもたらす病気と中毒
  • エッチ度やハゲる確率の都市伝説 最新科学でその真偽を調査 その2
  • 夢のスイッチが見つかった!? 日本の最新研究が明らかにしたレム睡眠の「謎」
  • 家族との
  • 要注意!「私は恋愛依存体質…」そんな人はアルコールにも依存しやすい
  • 制汗スプレーは「皮膚の天然バリア」細菌まで壊してしまう?
  • 腸内細菌に良いのはコーヒーとワイン! 反対に悪い食べ物は…?
  • 今、時代はヘルシーおやつ 医者お墨付き「ドクターズスイーツ」とは
  • 唾液を採取して送るだけで未来の病気が分かる「MYCODE」 いよいよ遺伝子検査が身近なものに
  • 尿で発電!? 難民キャンプ、被災地で活躍が期待される新テクノロジー
  • 侮るなかれ、いびきがQOLや家族関係悪化を招く。原因と治療法は?
  • <夏特集>自由研究のテーマはこれで決まり! かき氷を食べるとなぜ起こる?頭痛の謎を科学的に解明
  • 止められるか?アレルギーマーチ 赤ちゃんのうちの全身保湿が重要
  • それでも「寝てない自慢」続けますか?睡眠で得られる効果は多すぎる
  • 働いても働いても貧困状態「ワーキングプア」 生活困窮者の実態は
  • 100年後の正確な天気予報や人工晴れも? 最新の気象テクノロジー
  • 春に眠くなるのはなぜ? 漢詩「春眠暁を覚えず」を科学する!
  • 東京大学が発見 体内時計のリセットと維持に酵素が深く関係!
  • 夕食ばかりに比重「夜食症候群」増加中。健康への影響に厚労省も警告
  • 日頃の備えが肝心。「HUG」で災害時の避難所運営を疑似体験