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CIRCL編集部

睡眠時無呼吸症候群に新たな治療法「神経の刺激装置」の仕組みと効果は?

 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、その名の通り、寝ている間に呼吸が何度も止まってしまう病気だ。検査方法も治療方法も分かっているので治療していくことが可能で、以前もこのサイトでマウスピースの効果についてお伝えした。
参考:( 軽症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)に。マウスピース改善 https://www.circl.jp/15350

 生活習慣病にも深く関係しているSASの研究は日々進んでいる。今回もSASの治療法として有効だとされた新たな方法の仕組みと効果についてお伝えしたい。

主な治療法は3つ

 まずは、SASの治療法はどのようなものがあるのかについておさらいしておきたい。最も有効とされているのがCPAP(シーパップ)と呼ばれる鼻マスクだ。機械で圧力をかけた空気を鼻から気道に送り込み、気道を広げて無呼吸を防ぐというもの。そして、マウスピース。下顎を前に出して固定させることによって気道が広くなるので、無呼吸を防ぐことができる。シーパップより手軽なのがメリットだ。それから肥大した扁桃腺など呼吸の邪魔になるようなものを取り去る外科的手術という方法もある。SASの症状や重症度は人それぞれなので、その人に合った最適な方法が選択されている。

新たな治療法はまるでペースメーカーのよう?

 新たな研究でSASに対する治療効果が報告されたのが、横隔膜の運動を支配している横隔神経に電気刺激を与えることで呼吸を安定させる装置だ。アメリカのメーカーが開発したものだ。

 呼吸はそもそも横隔膜が上下することで行われている。つまり、SASの患者でも横隔膜の動きを改善して正常な状態にすれば自然な呼吸ができるわけだ。この神経刺激装置は、左右いずれかの鎖骨の下あたりの皮膚下に埋め込まれる。埋め込み手術は全身麻酔なしで行うことが可能。そして、装置と横隔神経は、静脈を使って通したリード線で電気的につながれる。このリード線を介して横隔神経に電気刺激を送るという仕組みだ(※1)。

 ここでなんとなく頭に浮かぶのが心臓の不整脈を監視して治療してくれるペースメーカーだ。ペースメーカーも鎖骨下の皮膚下に埋められ、心臓とは静脈を通したリード線でつながっている。原理はペースメーカーと同じようなものといえるだろう。

新たな治療法の有効率は51%

 この神経刺激装置のSASに対する有効性をアメリカ、ドイツ、ポーランドの研究チームが検証した。睡眠時無呼吸症候群の患者約150人を半分のグループに分け、半年間、1つのグループには神経刺激装置を使い、もう片方には装置は使わなかった。睡眠1時間あたりの「無呼吸」と呼吸が浅くなる「低呼吸」の合計回数が半分以下に減った8人の割合を調べた。

 その結果、神経刺激装置を使ったグループでは51%の人に呼吸に改善が見られた。一方、装置を使わなかったグループでは11%の人にしか改善が見られなかった。研究チームは、神経刺激装置は睡眠時無呼吸症候群の治療法として効果があると結論付けている(※2)。

 ペースメーカーが普及し、使っている人たちがそれほど日常に不自由ない生活を送ることができているのと同じように、この新たな装置の普及によってSASの患者の生活の質が一段と上がることが期待される。

参考・引用

  • ※1:Respicardia Your Clinical Questions http://www.respicardia.com/patients/your-clinical-questions/
  • ※2:Transvenous neurostimulation for central sleep apnoea: a randomised controlled trial http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)30961-8/abstract

WRITER

kix

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