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CIRCL編集部

睡眠を騒音から守ってくれる脳波が存在!鍵を握る「紡錘波(ぼうすいは)」とは?

 「騒音などがあっても気にせず眠れるようになったら良いのに!」そんな夢のようなことを願ったことがある人は少なくないだろう。そう、ドラえもんに出てくるのび太くんのように。

 そんな漫画のような話をと思うかもしれないが、ここ数年の研究で、私たちの睡眠を騒音から守ってくれる脳波が存在することが明らかとなっていた。その名も「紡錘波(ぼうすいは)」だ。

 今回、この紡錘波についての紹介と、今後どのような医療応用が期待できるのかについて紹介をしていく。

騒音にも効果がある!紡錘波がどのようにして騒音に効果があると発見されたのか?

 紡錘波が騒音時に多く現れることが判明したのは、2010年にアメリカ合衆国のハーバードメディカルスクールのジェフリー・エレンボーゲン氏によって行われた「睡眠環境」に関する実験だ。

 この実験は、睡眠に自信のある男女12人を対象に3日間かけて行われた。どのような実験を行ったかというと、なんと睡眠時にジェットエンジンの音やトイレの流水音といった騒音を聞かせたのだ(※1)。いくら睡眠に自信がある被験者とはいえ、常人ではとても耐え難い環境というのは皆さんにも容易に想像がつくのではないだろうか。

 騒音渦巻く環境に置かれた被験者の脳波を解析したところ、睡眠が騒音によって妨害されにくい被験者ほど、紡錘波が多く現れる傾向にあることが判明した。これは性別には関係がないことも同時に明らかとなった(※1)。

 もしかしたら、睡眠に恵まれていると感じている人ほど、良い意味で音に対して鈍感になっているのかもしれない。

この研究から今後期待できることは?

 エレンボーゲン氏によれば「同研究が進んでいけば、睡眠障害を抱える人の症状改善につながるかもしれない」ということである(※1)。

 紡錘波については現在も研究が行われており、なぜ紡錘波の量に個人差があるのかといった理由については、今後解明が進んでいくことが期待されている。

 同氏は、紡錘波の解析を通して、騒音に対する耐性の予測に関する研究に既に着手している。それによって個人が持つ紡錘波の能力について、何か手がかりが得られることが非常に楽しみだ。

 そこから得られる研究結果によっては、中途覚醒に悩む人や、住環境によって睡眠に悩む人たちへの対応策につながる一本の光になり得るからだ。

紡錘波による「私たちの暮らし」へのイノベーションに期待

 いかがだろうか。今回は紡錘波に関する研究と期待される効果について紹介を行った。本研究のような睡眠の学術研究に触れることで、睡眠に対する向き合い方などのヒントが得られるのではないだろうか。

 今回のように学術的な研究報告には、どうしても臨床的な意義が期待される。しかし筆者としては、日ごろの睡眠で「音」に悩む人たちにこそ本研究の恩恵が届いてほしいと感じている。

 正直、音の感じ方というのは人それぞれだ。その時の体調や精神状態によっても変わってくる。実際、私にとっての「騒音」は貴方にしたら「気のせい」というのはよくある話ではないだろうか。

 感じ方に差が出やすい「音」だからこそ、無視ができない問題であると筆者は考える。将来的に紡錘波の研究が発展していく中で、建築や生活用品が人工的に紡錘波を作り出す日が来るかもしれない。

 睡眠時の音に悩む人々の暮らしをより良い方向に導いてくれるような「イノベーション」を起こす 発見や技術が出てくる日を今か今かと楽しみにしている。

参考・引用

  • ※1:NATIONAL GEOGRAPHIC 熟睡のカギを握る脳波が明らかに http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2997/
  • 参考:Spontaneous brain rhythms predict sleep stability in the face of noise http://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(10)00778-5

WRITER

Ai Sugimoto

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