CIRCLから読者の皆様へ大切なお知らせ

睡眠・健康マガジンCIRCLは、この度の医療系メディアの信ぴょう性や著作権に関する一連の問題を、健康系情報を扱うメディアとして真摯に受け止め、自主的に掲載中の記事を見直すことを決定いたしました。少しでも多くの方に正しい情報をお届けするため、当メディアの掲載基準を見直した上で運用を徹底して参ります。品質を満たしていない可能性のある記事は非公開にしてまいります。一部ブックマークやシェアいただいた過去記事で見られないものが発生するなど、日頃よりご愛顧くださっている読者の皆様には多大なご迷惑をおかけいたしますことを、心よりお詫び申し上げます。今後ともCIRCLを何卒よろしくお願い申し上げます。
CIRCL編集部

脳科学がここまで来た!相手を好きにさせることも可能に?

 「いつ、どこで、誰が、どうした」。毎日起こるこれらのことを脳は記憶している。

 しかし、忘れてしまうと特に悲しい結末を引き起こしがちなのが「誰が」の部分だ。親しい間柄であればあるほど、相手のことはできれば忘れたくないもの。最新の脳科学では、この「誰が」がどのように記憶されているのかが明らかになった。

相手の顔はどのように記憶されているのか

 理化学研究所脳科学総合研究センターなどの研究チームは、マウスを使って、よく知っている相手のときと知らない相手のときとでは脳の活動がどのように変化するのか調べた。その結果、よく知っている相手のときだけ、記憶に関わる脳の海馬と呼ばれる部分の腹側領域が強く活動することが分かった。海馬の腹側領域が人の顔の記憶の重要なカギを握る場所なのだ。

忘れた人を思い出すことも可能に?

 さて、次に興味が湧くのが、果たして忘れた相手を思い出すことができるのかという点だ。マウスは長時間、相手と会わずにいると忘れてしまう習性がある。そこで、相手を覚えたときに強く活動した脳の部分に青い光を当てて刺激し人工的に脳を活性化させたところ、なんと、忘れたはずの相手を思い出させることに成功したのだ。

人を好きにさせたりすることもできる!

 今回の理化学研究所の研究発表で最も驚かされたのが、相手を好きにさせたり嫌いにさせたりすることまでもが人工的に操作できる可能性があるという点だ。研究チームは、マウスを使って、相手のマウスを覚えたときに活動した海馬の特定の細胞に、電気とコカインの2種類の刺激をそれぞれ与える実験を行った。電気は恐怖を与えるのでマウスが嫌う刺激という想定、コカインは快楽を与えるのでマウスが好きな刺激という想定だ。

 その結果、電気刺激を与えたときはマウスは覚えた相手を避けるように行動し、コカイン刺激を与えたときは積極的に近づくように行動したのだ。脳の海馬を刺激することによって、ある人を好きにも嫌いにもさせることができてしまうという、うれしいような恐ろしいような結果が明らかになった。

自閉症の記憶障害の原因究明に

 今回の実験結果で研究チームが注目しているのが、自閉症の他人に対する記憶障害のメカニズムの解明につながるのではないかという点だ。

 自閉症は生まれつきの脳機能障害で人との関係がうまくいかないことなどが特徴だ。500人に1人、軽い症状の人も含めれば100人に1人という割合で発生する症状であるにもかかわらず、残念ながら原因は分かっていない(※1)。研究チームは自閉症患者の海馬の腹側領域がどのような活動の変化を示すのか、今後、分析していく方針だ。

 ここまでお読みになった読者のみなさんは、「どうあの人に自分を好きになってもらおうか」、こんなことを考えている人も少なくないだろう。出会ったときに好きになってもらう“刺激”を同時に脳の海馬に与えることが大切なのだ。はてさて、どんな刺激がいいだろうか……。

参考・引用

  • ※1:自閉症について https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-005.html
  • 参考:他人を記憶するための海馬の仕組み -記憶痕跡(エングラム)にアクセスし、社会性記憶を操作する- http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160930_1/
  •  Ventral CA1 neurons store social memory http://science.sciencemag.org/content/353/6307/1536

WRITER

kix

ARTICLE

  • 中年世代でも確認・検証済み! たばこをやめると友達が増える
  • 視覚障害者のQOL劇的改善になるか 米国でウェアラブル3Dメガネが登場!?
  • 愛煙家ギクリ…? 5人に1人がかかる逆流性食道炎 禁煙治療が効く
  • 骨や肌だけじゃない。超・快眠効果まで! 大豆のスゴいチカラ
  • 毒素を排出する?痩せる?はウソ サウナの本当の効果とは
  • 流産・早産の恐れアリ。妊婦さんの睡眠時無呼吸症候群(SAS)に要注意
  • 握力が弱いと早死にしてしまう!? 握力と重大な病気には関連性があった
  • 米・スウェーデンで調査。 子どもの睡眠、家庭の所得と母親の職業が影響 
  • 永久の眠りか、それとも…「生き返り」を信じて、死体を冷凍保存する技術が現実に。
  • 20年越しの調査が結実 ランニングは長生きにもうつにも効く
  • ヘリコプターペアレンツって何だ? 子どもの心を蝕む親の問題行動
  • 今、時代はヘルシーおやつ 医者お墨付き「ドクターズスイーツ」とは
  • 生理は伝染る!?仲良しの友達と周期がかぶる理由はハーレム回避?
  • ジャガイモは糖尿病の原因に? 一番糖尿病になりやすい食べ方は…
  • ストップ!高脂肪の食事。体重増加と睡眠障害、活力低下を防げ
  • アメリカの睡眠事情「眠らない」州はどこだ?
  • 「クレプトマニア」 整形手術後に万引の衝動が抑えられなくなる?
  • <秋特集>お風呂シリーズ:半身浴が良いのはなぜ? 熱いお風呂やシャワーではダメ?
  • 子どもが多い女性ほど老化が遅い!? 妊娠中に抗老化ホルモン激増
  • 生命の尊厳を脅かすか? 「3人の親を持つ子ども」をつくる技術誕生
  • 殺人事件まで!? 夢遊病が引き起こした、強烈すぎる奇行とは
  • 「夜中に目が覚める」…の対処法 魔法のパウダー簡単レシピ公開!
  • まさに「着るレントゲン」!その場で腰痛リスクを知らせるウェア 介護現場などにも活用
  • <夏特集>部活シーズン真っ盛り。全身が痛くなる子どもが増えるのはなぜ?
  • 当時の平均寿命の倍以上を生きた 戦国武将徳川・毛利が実践した長寿健康法とは
  • 強盗、暴行、殺人… 怖すぎる大人の夢遊病を一挙公開
  • あなたの「眠れない」はテクノストレス不眠かも? スマホにご注意を。
  • 自分の呼び方一つで気持ちが変わる?「私」をやめるとラクになる
  • NASAが認めた!天才脳を育てるトランポリンの実力
  • 崖から落ちても痛みを感じない!? 危険すぎる夢遊病の症状とは
  • 年代別の睡眠を徹底解剖!  巨大調査からみる日本の眠り
  • 深い睡眠に欠かせないドア「カルシウムチャネル」って何だ?
  • ベッドはダニの格好のすみか。あまりシーツや枕カバーを洗わないあなたは要注意
  • 猿の温泉、湯冷めしないの? 「安心してください、毛がありますよ!」
  • 脳震とう多発! 1シーズンで何と9割がケガをするラグビー ルール改正でタックルがなくなる?
  • 問題:子どもの成績を左右するものは? 出生体重・引っ越し・母親の就業有無 どれ?
  • 雪が積もった、さあ大変! 転倒防止のTIPSは動物が教えてくれる
  • 世界中存在する木の本数は? 天文学的な統計を米イエール大学が何と実地で解明
  • 寝かせ方、禁煙、母乳育児…乳幼児突然死症候群(SIDS)を防止する方法
  • 60歳を20歳に若返らせる!? 不老長寿サプリが臨床実験開始
  • 世界中で話題! 日本の「イケメンゴリラ」に学ぶ オトコの生き方
  • 不整脈は女性の方が危険! すぐできる30秒チェックをしてみよう。
  • アスリートのパフォーマンス、体内時計が決めていた!?
  • 冷やしたご飯で健康・美容を手に入れる? レジスタントスターチの力
  • 怖い映画は不眠&ダイエット効果をもたらす!? 脳が送る凄いシグナル