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CIRCL編集部

親が感じる子どもへの間違ったシンパシー 実験から明らかになった思い込みとは?

 シンパシー――共感や共鳴などと訳され、他人が考えていることに共感するという意味でつかわれることが多い。「あの子にはシンパシーを感じる」などのように。

 さて、このシンパシーであるが、時に間違ったシンパシーを感じてしまうことがあるようだ。それも他人同士ではなく、母親が子どもに対してである。いったいどんな状況なのだろう。よく言われる「人の気持ちを考えなさい」は、母親でも正確に気持ちを考えることは難しいようである。

フロリダ大学での親子の実験

 アメリカのフロリダ大学の実験により、「母親は、自分のお腹がすいていると、自分の子どもも同じだと思い込み、たくさんご飯をあげすぎる」そんな傾向があることが分かった。

 この実験は、3~6歳の子どものいる29組の親子を集めて行われた。それらの親子を10分間遊ばせ、その後、自分や子どもの空腹感の評価を含む質問項目に、母親が思うように7段階評価で答えてもらった。そして、ビュッフェ形式の食事から、自分と子どものために食事を取ってくるように、母親に指示を出した。食べる前にその重さを量り、カロリーを測定したのち、親子に食事を食べてもらった。

特に空腹の母親は子どもにたくさんご飯を与えすぎる

 その結果として、特に肥満傾向にある母親は、自分の空腹スコアが高い場合に子どもも同じように空腹であると思う傾向が強かった。そして、その母親は、他の母親に比べて子どものために取ってくる食事のカロリーも高い傾向にあった。また、全体的に、母親が取ってくる食事のカロリーは子どもに対する推奨量より多く、平均40%程度推奨量を上回っていた。実際に子どもはそのうち80%程度を食べて、これは推奨量より若干多い量になっている。

子どもが自分で食事量のコントロールをするのは難しい

 今回の結果からは、自分が空腹だと思うと子どもも空腹だという間違ったシンパシーを感じる母親が多いことが分かった。また、母親は子どもが必要としている量より多い量を与えている可能性があることも示唆された、この研究の著者であるストロンバーグ博士は次のように警告している。
子どもは自分がお腹いっぱいになったと判断することは難しく、たくさん料理を出されればたくさん食べてしまう傾向にある
この要因は特に、肥満大国アメリカでは重要な問題であろう。

親の与えすぎを防止することで子どもの肥満が防げる可能性

今回の研究では
・研究対象の親子の数が少ない
・外でのビュッフェ形式の食事であり、家での食事を正確に表していない可能性がある
(ただならたくさん食べさせようという精神が働いた可能性がある)という問題点があるが、親の食事の与えすぎが子どもの肥満を引き起こす要因の一つとなっている可能性がある。もしそうであれば、子どもの肥満を防止する新しい策のためのヒントになるだろう。

 うつや心配性の母親は、子どもが同じような精神状態にあると考えがちであるという研究結果も出ている(※1)。親は自分から生まれてきた子どもが、自分と同じように考えていると思いがちなのかもしれない。子どもは自分とは違う生き物だということを認識して、自分の気分を排除して子どもの気分を考えてあげることが大切である。また、子どもの肥満は親の責任だという自覚も、子どもの将来の健康のためには必要だろう。

 実験結果は肥満大国アメリカの子どもに与える食事についてのものにはなるが、日本においても子どもの健康や環境を考えるときに参考になる興味深い結果だと言える。ぜひ、ひとりひとりと向き合った子育ての参考として役立てて頂きたい。

参考・引用

  • ※1:HUNGRY PARENTS MAY FEED THEIR KIDS MORE, UF STUDY FINDS http://www.newswise.com/articles/view/657072/

WRITER

Daisuke Goto

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