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CIRCL編集部

シエスタ=昼寝を義務化した町や企業があるってホント?そしてなぜ?

以前、スペイン旅行に行った知人が、「シエスタになったらお店が全部閉まって、ご飯が食べられなかったよ」と言っていた。

 「シエスタ」とはスペイン語で「昼寝」もしくは「昼休憩」の意味だ。午後1~4時のシエスタの時間、スペインでは店の多くが閉店し、シエスタの時間が終わると再び開店する。店を閉めてまで昼寝をする習慣は、仕事や勉強などの活動を日中通して行う日本人から見ると、変わった習慣といえるだろう。

シエスタを義務化自治体 アドール

ところが、スペインで昼休憩は当然のことであり、シエスタを義務化した自治体さえもある。それが、スペイン南東部のバレンシア県にあるアドールという町で、アドール内のお店はシエスタの間、完全閉店になる。出かける先がないので、人々は家で休むしかない。

シエスタの歴史と文化

スペインが発祥のシエスタは、現在もスペインとその周辺国、南アメリカのスペイン語圏諸国などで習慣化されている。熱帯気候のそれらの国では、午後1~4時の間、屋外はとても暑い。太陽の光も非常にまぶしいため、室内や日陰で過ごすしかない。

その分、夜に活動するため、大抵の店は午後9時過ぎまで開いている。暑い日中に、体や心を意識的に休ませることは、熱帯気候に合った生活習慣なのだろう。

財政状況の悪いスペイン、そんなに休んで大丈夫?

しかし、イタリアやポルトガルなど一部の国々を除いたEU諸国などでは、シエスタに馴染みがなく、仕事を怠けているようにも見える。

国家の財政状態がよくないスペイン政府は、EU諸国の習慣に合わせて開店している時間をこれまでより25%延ばすことを制度化した。シエスタの時間分、労働時間を延ばしたということだ。

もちろん、シエスタを守ろうとする向きもあり、この制度に反対した全国シエスタ同好会(National Association of Friends of the Siesta)はマドリードで全国昼寝選手権を開催して、シエスタが健康維持に欠かせない文化であることを強調した(※1)。

しかし一連の動きだけを見ると、シエスタは経済活動にとっては悪者のように思われるかもしれないが、そうとも言えない。その理由については後述したいと思う。

シエスタの健康効果はいかに?

シエスタをすると、高血圧、肥満、糖尿病などにかかりにくくなる(※1)。また、心疾患の一つである冠動脈疾患のリスクも下がる

それを証明する大規模調査が、昼寝の習慣を持つギリシャで行われ、2007年に発表された。対象は、ギリシャ各地に住む20~86歳の男女2万6886人。調査の結果、シエスタをとらない人は、とる人に比べて、冠動脈疾患を発症する確率が1.5倍以上も高いことが分かった。特に、働き盛りの男性では大きな差が見られた(※2)。

記憶力を高める効果もある

さて、ここで先ほど伝えていた「シエスタは経済活動にとっては悪者なのか」という点について、反論を明らかにしたい。

今までCIRCLでも何度となく昼寝と仕事の効率の関係については紹介してきたが、2015年、ドイツのザールラント大学から改めて、昼寝をすると記憶力が上がるという研究結果が発表された。

実験では、41人の被験者に90個の単語と、脈絡がない単語のペア120個を覚えてもらった。半数のチームは1時間ほどの昼寝をし、もう半分はDVDを見てから記憶力テストを行ったところ、昼寝をしたチームはしなかったチームに比べて、5倍も良い成績をとったという。

睡眠中、記憶をつかさどる脳部位の海馬では、記憶した情報の定着化が行われている。昼寝後のほうが記憶力が高まったのは、このような脳のはたらきによるものだと考えられる(※3)。

シエスタの義務化で活性化した企業

健康にも脳の活性化にも役立つシエスタ。

実は日本にも、シエスタを社員に義務化した企業がある。大阪市のIT企業「ヒューゴ」だ。プログラミングなどの集中力を使う仕事は、昼食後に眠気が訪れ、はかどりにくい。それならば、シエスタをとってリフレッシュしてもらおうというのが、会社の狙いである。

朝9時に出勤し、午後1時~4時がシエスタ。終業は午後8時だ。シエスタの時間は、昼寝はもちろん、ジムや映画館で過ごしてもいい。なかにはデートに使う従業員もいるそうだ(※4)。なんともうらやましい働き方である。

体と心の健康を保ち、合理的に働けるシエスタを導入する企業が増えれば、私たちの生活は大きく変わることだろう。

参考・引用

  • ※1:Slumber Wise http://slumberwise.com/health/siesta-the-little-nap-with-a-big-history/
  • ※2:シオノギ製薬epi-c.jp http://www.epi-c.jp/entry/e888_0_0009.html
  • ※3:IDEAHACK http://ideahack.me/article/1513
  • ※4:産経WEST http://www.sankei.com/west/news/140316/wst1403160056-n1.html

WRITER

sora3cure

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